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01/11
Mon

成人おめでとう
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成人の日。Coming of Age Day。


既に成人の人々に、人が成人の日を迎えたから「大人」になったのか?と質問すると、多くの方は「そうじゃない」と答えるのではないだろうか。これは、そう答える人々が新成人諸君を小馬鹿にする目的でそう言うのではなく、それぞれが自分の経験から実感として発する言葉と捉えてほしい。

0歳から20年間の経験+その後の何年かの経験。これを思い起こす時、多くの人は二十歳以降の経験がなければ今はないと考えることが多いからであろう。その意味において、成人の日を迎えるということは、むしろその人の人生においてその人自らが当事者になったということであると考えた方が良さそうだ。*その点、モリワキエンジニアリングの森脇社長が使う「君は当事者だ」という言葉には重みがある。

さて、そんな成人の日にご紹介するのはちょっとした私自身の成人の日と私の恩師である山野上素充氏の本である。

私自身の成人の日は、市が企画した成人式に午前中参加し、その後夕方近くから近所の仲間と元町のレストランへ出かけたというスケジュールだった。親の白い商業車でその日一日を過ごした思い出はかなりぼんやりとしているが、今でもよく覚えている。とにかく、その日自分の親は全くその日のスケジュールに関係がなく、今思えば本当に申し訳ないことをしたと反省している。同時にちゃんと御礼を言うべきだったとも思う。一方仲間とは慣れない服装に慣れないレストランと、精一杯の背伸びをした一日だった。ただ、なぜかその前にあった「成人式行こうぜ」という雰囲気には相当テンションの高いものがあったように思う。しかし、それがなぜだったのかは、今は全く思い出せない。確かそのために車の洗車をしたような気もする。

さて、次に山野上氏の本である。写真の通りであるが、1998年2月に発行されたもので、PHPの協力によって出版されたことは本文でも確認できるが、どのように販売されていたかはよくわかっていない。表紙を開くと「謹呈 山野上素充」と本人のサイン入りだ。非常に失礼な話ではあるが多分ご本人からいただいたものである。

しかし、本の内容には今でも全く驚かされる。これまで多くの師に恵まれてきた私ではあるが、私が今の自分自身の生き方を決めているのはこの山野上氏と最後にお会いした際に氏が私にかけてくださった言葉が全てである。

『君は野垂死にしないから、好きに将来を切り開くといい』

思えば、私は一貫して山野上氏に対して常識知らずの失礼な行動をし続けてきた。最初にお会いしたのは岩屋の旧本社応接室。季節は夏だったとは言え、大きな企業の人事管理職の方に初めてお会いするのに、スーツの上着を脱いで席についた。しかし山野上氏は私の話をまっすぐに聴いてくださり、さらに、現実的に私が考えていることで突き進めばどうなるかを的確な表現で教えてくださった。

その後、お互いに仕事が変わって今度は半ば上司といったおつきあいをしてくださった。その際にも、「長髪は自由の象徴」と調子に乗り髪をのばした私に対して、見た目の問題をただすのではなく、お互いにやっている仕事の内容の大きさについて説かれ、その成し遂げようとしている事と当時の自分の不釣り合いな事を私の内面から気づかせてくれた。

私にとって山野上氏は理想の上司なんて軽いものではなく、正に師であると今でも尊敬している。

その根本にあったのは赦しと常に高い目標を持つ事の重要性がテーマであったと思う。

さて、成人の日にご紹介する本の話。
正直私も10年ぶりにこの本を開いた。飛び込んできたのは第一章の4「心の扉は内側から施錠されている」というお話だった。オックスフォード大学キーブル・カレッジとロンドンのセント・ポール大聖堂にある聖画、ホルマン・ハントの「世の光」を用いた一節である。
300字程で簡潔にまとめられた文章に事の本質が見事に表現されており、他の文章をよく見てみると、そのルールはこの本一冊を貫いている。

今回も私自身未熟な表現で長々と文章を書いてしまったが、それに対する師匠の指導。それと皆さんには成人の日を考えるよいきっかけになったかどうか。

私自身はまだまだ中途半端で、また精進したいと強く思った日となった。


*山野上素充
1940年生まれ。64年、関西学院大学社会学部卒業。64年〜67年、米国ロチェスター大学大学院(心理学)。67年〜96年、株式会社神戸製鋼所 同人事部海外企画担当課長、人事部派遣人事室長。90年関西学院大学社会学部非常勤講師 産業社会学特論。91年オックスフォード大学セント・キャサリンズ・カレッジ神戸インスティチュート神武局長、同Japanese Social Structure and Social Attitude担当チューター。96年関西学院大学就職部長。 以上『ヤマさんの一言-ヤングに贈る心のビタミン剤』より抜粋。