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10/13
Sat

READING AUTUMN 8
CATEGORY:GALLERY

読書の秋8回目。

今日は具体的にどの「本」という訳ではなく、雑誌のお話。見本としてRIDERS CLUBの1978年8月号をギャラリーのライブラリーから取り出してきました。

たまたま、ギャラリーのコレクションに加わったスズキSP370の事で当時の評価を知りたくて古本を見つけてきたのですが、中身は「権威ある雑誌」の姿勢が貫かれていました。

SP370のインプレッション。実際の試乗とライティングを万沢康夫さんが行っていますが、ここ最近の雑誌の内容から言えば、「非常に辛口」。よい部分と悪い部分をしっかりと伝え、専門家としてのfeedbackを伝えるものです。ことSP370に関しては『エンジンも足まわりも"デュアル・パーポスモデル"として高い能力のものだ。しかし、惜しむらくは、その性格が全体にまで貫かれていないのだ。これは技術的なものよりも、設計思想の問題だろう』と締めくくっています。

私はかつてある慈善団体に寄付の申し出をある会社を代表して行ったことがあります。しかし、その団体の事務局の方は『カネがつくと口がつきますから。今回はお断りします』と寄付の申し出をお断りになりました。まだ若かった私は『せっかく寄付するって言っているのに、寄付される相手を選別しているのか!』と内心相当に怒っていましたが、後になってその方の意図するところに気がつきます。『寄付するにもその後の継続性などそれなりのしっかりとした覚悟が必要であり、その時のノリだけではやるもんではない』こういうことだったのです。

お金について凛としていること。それをこの慈善団体への寄付申し出の一件から学ばせていただきました。

雑誌にあるジャーナリズムの事になるのでしょうか。そこに書かれる記事がいつのまにか「コンテンツ」というものになってしまい、記事までもが「パブ」という売り物となってしまい、お金で買えないコンテンツが減ってしまったことが、雑誌の権威を失墜させたひとつの原因であると私は考えています。

当然、この状況は全ての雑誌におこっていることではありません。傾向としては、特に人口減少などにより市場が縮小してしまった業界などで、現存する熱心な愛好者を少しでも維持したいと考えるカテゴリーでそのような状況がよく見られます。

ある分野においてはカネで買われていない記事を探すのに相当苦労する雑誌も存在します。そういうカテゴリーの雑誌においては特に編集者の心意気がもう一度見たいと感じるわけです。


写真は『RIDERS CLUB』1978年(昭和53年)8月号 - 株式会社ライダースクラブ