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    READING AUTUMN 21 / series 2010 / ビル・エヴァンス ミュージカルバイオグラフィー / Keith Shadwick / 2010
    CATEGORY:GALLERY

    秋なので今年もやって行きたい"READING AUTUMN"。今回はその21回目となる。

    原題:"Bill Evans Everything Happens To Me"はロンドン生まれの音楽評論家(クラッシック、ジャズ)のKeith Shadwick (1951 - 2008)によって2002年に執筆され、日本では今年になってようやく湯浅恵子の訳にて初版が発行された。

    ミュージシャン、音楽家、ロックスター。それらにまつわるお話というのは、よく本となって出版される。私自身も高校生くらいからそのテのものをよく読んで来たが、その行為は信じているものを再確認するような作業であったと記憶している。その人の来歴を知り、作品に込められた意味を知る。そして自分の解釈が間違っていなかったことを再確認するのだ。

    しかし、自分自身の年齢もあってか今回久しぶりに手にした音楽家の伝記は私にそれまでとは異なった感覚を与えた。

    私よりもビル・エヴェンスについてご存知の方は多数いらっしゃると思うが、彼の音楽キャリアは彼自身の才能だけで語ることは困難である。数多くのセッションへの参加、自身のトリオなどを通じてエヴァンスは自分の才能に磨きをかけて行く。しかし同時に彼の周囲の多くの人を失うことも長いキャリアで経験するのである。

    実際に自分の仕事が自分の能力だけで遂行されているのか?と訊かれれば、私自身即座に"No"と答える。ただし、それは決してもたれ合いの中でなんとなく物事が進んでいるという訳ではない。そこには他人と協調するも、決して埋もれない何かが存在しているのだ。

    音楽の場合はその何かが非常に解りやすいとこの本を読んで感じた。その中で、仕事の才能とは一体何なのか?という問いを持ってこの一冊を読み終えたのである。読書の秋は年末に迫った今年1年の総仕上げの前段階として、自分自身を整理するのによいことなのかも知れない。



    ビル・エヴァンス
    ミュージカル・バイオグラフィー
    キース・シャドウィック 著
    湯浅恵子 訳
    シンコーミュージックエンタテイメント
    2010年2月26日初版発行
    ISBN 978-4-401-63358-6