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    05/25
    Sun

    A-FRAME / Retro Style Back Pack / GRAVIS / CA, USA / 2008
    CATEGORY:PRODUCTS

    近年BAGの中で最も悲惨な状況にあるのがバックパックだ。
    その説明をするためにはここ30年ほどの街歩き用のBAGの話をしなければならない。

    そもそも「リュック」と呼ばれていたものが「バックパック」となったのはいつのことだろうか?
    まず、リュックサックはドイツ語、バックパックは英語からそのルーツが来ていることを考えるとする。

    日本の山岳スポーツ文化は歴史的に見てヨーロッパから輸入されたことに始まる。これは世界的に見ても山岳スポーツの歴史はヨーロッパがそのリーダーであることに影響を受けているが、日本国内で例えば山岳スポーツ用品の呼び名がドイツ語から英語へ変換されていったのは1970年代以降のことである。これは特に北米での様々な遊びを含む文化が日本に本格的に紹介されはじめた頃と同じ時期であり、この時期以降に「バックパック」に触れた人にとっては「リュック」という言葉はどこか古い言葉のような印象を受けるのである。

    これは、その人々にとっての1世代前(主には親の世代)が「リュック」という言葉を使っていたからと言えば最も簡単に説明がつくが、その昔日本への導入当時にドイツ語で紹介されたものが、時を経てより理解しやすい英語に訳され、さらには具体的な「使い方」とともに紹介された言葉であれば、よりかつての言葉を過去においやるインパクトは強かったことも予想できる。

    バックパック。本格的な山岳スポーツに使用したり、趣味の日帰りハイキングなどで使用することを除けば、実は人々はバックパックを使うことを無意識に避けている。両手が自由になり、重い荷物を持ち歩くには非常に便利なプロダクトだが、なぜこれほど便利なものを使わないのだろうか?私はそのヒントをモーターサイクルとの関連で見いだした経験がある。

    自転車もそうだが、バックパックは2輪には向かない。まず、スタイル的に良くない。というのも自転車もモーターサイクルも何も荷物を持たないヒトが乗車することを考えてつくられており、背中にものを背負うことで全体のスタイルが一気に崩れる。次に2輪の運転時にその影響が大きい。背中に荷物を固定することで、上半身の自由が奪われる。逆に荷物の固定具合を緩めれば、上半身の動きに荷物が影響を受ける。また、空力的にも不利であり、これが2輪とヒトが一体となった造形に水をさすのだろう。

    ではなぜ、バックパックを背負い街を歩く人が一時あれだけ街に溢れたのだろうか?私はそれを一種のスタイルの定着であったと考えている。運動着とチームユニフォームがスポーツカジュアルを創ったのと同様に、バックパックは旅であったり、歩くことを主な移動の手段とする場合の便利な機能であったり、それらが、アクティブなライフスタイルや徒歩のスピードに合った1つの造形として受け入れられた結果だったのではないだろうか。

    今回はかなり前置きが長くなったが、GRAVISがこのほどリリースしたA-FRAMEのご紹介。GRAVISはその軸足を常にURBANに置いている。プロダクトのほとんどすべてが街で機能することを目指しているのである。この点で言えば、本格的な山岳用品としてのバックパックを街で使う「転用」手法をプロダクトづくりの段階から実行しているわけであって、街での使用にどれだけ自然にとけ込むかがその勝負どころとなる。

    GRAVISにはURBANバックパックの代表作"METRO"が存在するが、今回のA-FRAMEは残念ながらその"METRO"を超えるプロダクトにはなっていない。というのも、A-FRAMEは番手の大きなジッパーや底に貼られたレトロ感溢れるレザーパチなどディテールで勝負をし過ぎている感があるからだ。その結果、全体としては「なんとなくレトロ」という雰囲気でありながら、プロダクト全体の仕上がりとしては、街に完全にとけ込む"METRO"と比較した場合にどこか、「開発途上」という雰囲気が拭いきれないのだ。

    ディテールはディテール。そのひとつひとつへのこだわりは重要だし、素晴らしい。しかし、全体として何を目指すのかを「久しぶりにバックパックでも背負ってみるか?」という方々に訴えなければならない。その点、URBANバックパックのひとつの完成系であるMETROには現時点では及ばないということである。

    ただ、私自身、細かいことを除けばこのアプローチそのものは立派だと考えている。街を歩くヒトそのものとそのスピードにマッチする造形。人々がその1つのカタチとしてメッセンジャーをようやく認めた今にあって、「バックパックが提供しうるスタイル」の提案を行うことは、メッセンジャーをマーケティング的に過去に追いやることだけを志向していない。


    A-FRAME : 9870 JPY
    .....商品詳細ページ