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    リーダーになる人に知ってほしいこと / 松下幸之助(述)・松下政経塾(編)/ 2009 / PHP研究所・京都・日本
    CATEGORY:GOVERNOR

    主に80年代に録音された松下幸之助の音声記録を、テーマ毎に拾い起こし整理した本。


    松下幸之助の本は本当によく売れていると思う。この版も第17刷。驚異的の一言に尽きる。私は松下幸之助世代からすれば若い部類に入るので、その目線から少し思うところを書いてみたい。

    『会社では人をつくっています』私が今から10年くらい前にはじめて触れた松下幸之助の言葉である。当時、人事・労務管理という言葉は人的資源管理という言葉にその表現が変わりつつあり、その後ヒューマン・リソース・マネジメント(Human Resource Management)なんての言われるようにもなっていた時期だった。

    組織を人格を含む人(またその人の人生)で創るという日本の伝統的な考え方から、組織を能力と数(人数)の集合体として捉え、それを形成する資源を管理するという具合に経営資源である人とその使い方を考えるというものに変わりつつあったとも言える。

    その究極が誰でもできる仕事を、仕事を標準化することで達成しようとするもので、結果「○○さんでなければならない」から「人であれば誰でもよい」という仕事が生まれた。


    松下幸之助は日々の掃除やあいさつなどが、自分を磨くことにもつながり、その積み上げが決定的な場面で生きると言う。確かに。特に掃除などは日々を漫然と過ごしている人にとってはあまり考えないことだ。これは精神教育とか根性の話とは全く異なる問題だとも思う。


    私は人が簡単に数値化できないことと、さらに、たとえ数値化して現在の能力のようなものを査定できたとしても、教育と経験でその数値はいくらでも変わる可能性があることを信じている。ただし、それが現実のものとなるためには、私自身が私を知っていること、私と共に行動している人のことを私とその人自身がちゃんと自らを知っていることが重要だと考えている。多くの場合、ここの確認ができていないか、曖昧になっているために、いくら高い志をもった計画も途中で頓挫するとも考えている。スタート地点が曖昧なままではゴールにたどり着いたとしても、そのタイム(記録)は公式のものとして認められない。ただ走って、残ったのは疲労だけなのだ。


    『リーダーになる人に知ってほしいこと』
    松下幸之助(述)松下政経塾(編)
    PHP研究所
    2009年4月第1版
    ISBN978-4-569-70410-4