初のご紹介である。THE WELBECK GALLERYのPrivate Collection。東洋工業(現・マツダ)の傑作、SAVANNA RX-7 E-SA22C型 (1978)。
1983年(昭和53年)3月のいわゆる「ドアミラー解禁」以前のモデルで、しかもフェンダーミラーが現存する個体を長期間探していたので、この個体を発見した際には非常に嬉しく思った。いわゆる「1オーナーカー」で完全フルノーマル。30年に渡り大切にされて来た個体だ。
実際に走らせてみると、1トンを切る軽い車体とバランスの良さが際立つ。軽いせいか、よく言われる「燃費の悪さ」は一切感じない。キャブレター、ノンターボ、ロータリーは静かそのもの。
せっかくよいものを受け継いだので、完全ノーマル主義+全塗装などのおおがかりなレストアは一切しないという組み合わせで、今後もコンディションを維持する方向だ。
1970年代後半はオイルショックで揺れた日本。その中で2ストロークメーカーは相次いで4ストロークを開発し、各四輪メーカーも経済性の良さを追求しなければいけない時代だった。残念ながらこういう時期には思い切ったものはなかなか登場しないのが常だが、その一方でできるだけ軽く、できるだけコンパクトにというような、「脱、力の象徴」的な技術革新はかなり進んだと思う。それを最終的な意匠にまとめる力。これが見た目だけではなく、プロダクト構成全体をデザイン(設計)するということになるのである。
E-SA22C SAVANNA RX-7 (1978) / THE WELBECK GALLERY Private Collection